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ぶどう糖とは?私たちの毎日を支える糖のチカラをぶどう糖メーカーが分かりやすく解説(1/4)ぶどう糖とは?

作成者: サンエイ糖化 マーケ室|Aug 7, 2025 4:50:18 AM

受験を控えた学生や集中力が求められるビジネスパーソン、瞬時の判断力が鍵を握るアスリートたちの間で、「集中力」や「記憶力」の維持・向上をサポートする身近な栄養素として、ぶどう糖が注目されています。実はこのぶどう糖、人間の脳にとって最も重要なエネルギー源であり、体内でもさまざまな働きを担っています。

本記事では、ぶどう糖メーカーの視点から、私たちの日常生活で役立っているぶどう糖の基礎知識を、分かりやすく解説します。

※本記事はぶどう糖の一般的な栄養特性について述べたものであり、特定の製品の効果・効能を保証するものではありません。

ぶどう糖とは?

生物の主要なエネルギー源となる糖

ぶどう糖は「グルコース(Glucose)」とも呼ばれ、分子式は C₆H₁₂O₆で表されます。自然界に広く存在する糖の一つで、ヒトをはじめとする多くの生物のエネルギー源として重要な役割を果たしています。ぶどう糖、1747年にアンドレアス・マルググラフにより、干しぶどうから発見されたことに始まります1)

このぶどう糖の特徴の一つが、体内での吸収と代謝の早さです。例えば、低血糖の症状が現れた場合すぐに吸収の速い糖分を摂取すれば通常5分以内に症状は改善する2)と言われています。それほどぶどう糖は体内にすばやく取り込まれ、すぐにエネルギーへと変換されるのです。

また、グルコースは、脳中枢神経系においてほぼ唯一のエネルギー源として利用されており3)ぶどう糖は「脳のガソリン」とも言えるほど重要な存在です。

ぶどう糖の特性

ぶどう糖は、エネルギー源としてだけでなく、食品加工の現場でも重宝される多彩な特性を持っています。その特性を知ることで、日常的に口にする食品やサプリメントへの理解がより深まります。

甘みがある

ぶどう糖は、甘みを持つ単糖類の一つです。その甘さは砂糖(ショ糖)の約70%程度とされ、爽やかな甘みが特徴です。後味のキレが良いため、菓子類や飲料、ゼリーなどに使用される際、他の素材の風味を引き立てる役割も果たします。

色味が付きやすい

ぶどう糖は加熱によってメイラード反応(アミノ酸との反応)を起こしやすく、焼き菓子やパンなどで焼き色をつける効果があります。例えばぶどう糖が含まれているクッキーやトーストであれば、加熱することで食欲をそそるような香ばしい焼き色が現れます。この特性は食品に「見た目のおいしさ」や「焼き立て感」を与える上で重要な要素となっています。

体内に吸収されやすい

ぶどう糖は摂取後すぐに吸収され、素早くエネルギーに変換されるのが大きな特徴です。そのため、点滴など医療用途でも使用されることが多いのです。

保存性が高い

ぶどう糖は水分を保持する性質があり、これによって微生物が増殖しにくくなります。そのため、製品の保存性を高める目的でも活用されています。

他の糖との違い

炭水化物の一種である糖質には、構造の違いによって「単糖類」「二糖類」「三糖類以上」などに分類されます。これらはさらに、体内で消化吸収されるかどうかによって区分することができます。

ぶどう糖と同じ単糖類には「果糖」があります。果糖は果物やハチミツに多く含まれ、ぶどう糖よりも甘味が強いのが特徴です。これらもエネルギー源にはなりますが、ぶどう糖のように直接脳や筋肉に使われるわけではありません。

  炭水化物
単糖類 二糖類 三糖類以上
消化吸収される糖
  • ぶどう糖(グルコース)
  • 果糖(フラクトース)
  • 砂糖(スクロース)
  • 麦芽糖(マルトース)
  • マルトオリゴ糖
消化吸収されない糖
  • エリスリトール
  • マルチトール
  • マルトビオン酸
  • ガラクトオリゴ糖

ぶどう糖の種類

ぶどう糖には、形状や製造方法の違いによってさまざまな種類があります。たとえば、煎糖法で製造される「無水結晶ぶどう糖」や、温度降下法による「含水結晶ぶどう糖」、噴霧全糖結晶方式による「全糖ぶどう糖」などがあり、それぞれの性質に応じて、食品・医薬品・工業製品などの幅広い分野で用途に応じて使い分けられています。

サンエイ糖化でも、これらの製法や性質を活かした結晶・粉末タイプのぶどう糖製品を取り扱っています。製品の詳細については、こちらからご覧ください。

1) AM Shendurse, CD Khedkar. Glucose: Properties and Analysis. The Encyclopedia of Food and Health, (2016), 3, 239-247. 
2) 「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1d45.pdf(2025年7月1日閲覧) 
3) 丹羽利充編集.臨床栄養実践ガイド,中外医学社,2014,5p.